堺屋太一さん

20代後半から30代にかけて、政治/経済の本を好んで読んでいた経緯から、氏の書籍にもかなりお世話になりました。

 まぁ、あまりいいHDを搭載していないので、記憶に残っている内容は下記の2要素となります。

1)血縁 / 職縁 / 知縁

2)日本の状況が崩壊前の古代ギリシャに酷似

 

1)は字のごとく、農耕民族であった日本人は身内や村社会での繋がり(縁)により生活の基盤が形成されており、それなくしては生きてはいけなかった。故に根底にある基盤は血のつながりであった。

 それが、高度経済成長期に至り職場が血縁より密接な要素となり、血のつながった身内より職場の縁が重要とされる世の中へ変遷。そして、次の時代は同じ価値観や知識を共有した物同士がつながる、知縁であると説いておられたのが確か1990年代後半であったと思います。

 その時には今のようなネット社会を予見するのは少々難しかったかもしれませんが、ある意味においてはそれを述べておられたようにも感じます。

 

2)の崩壊前というのが、多分ヘレニズム時代かな?と思いますが、いかんせんギリシャ時代の勉強をしていないので確証が持てないのが残念です。

 そこで述べられていたのは、国として成熟したのち出生率が低下、それが国力としての脆弱化を招く一要素となった。と書かれていたと記憶します。

 なおその成熟期には、芸術文化が目覚ましい発達をしたとありますが、今の日本ではサブカルチャーと言われるマンガ/アニメというのが少々寂しいように思われますが・・。

 その状況が非常に似通っているので、今後の日本を予想する上で役に立つと述べられていました。

 これを書きながら、はたと思いましたがそのギリシャのヘレニズム時代を調べてみるというのもありかもしれません。

 

残念ながら先日逝去されましたが、氏の本を読む機会を持てたことにより、未来の予見のひとつの方法論を教えていただけたように思います。

ありがとうございました。