http://ameblo.jp/allbr/entry-10133115146.html
少々長くなりますが先日の、にーぜきさんのブログを読んで自分なりに自問自答の結果、確かに小生も2と3の影響、そしてその他の要因として、宮武一貴氏によるデザインワークの、宇宙戦艦ヤマトのメカ群が挙げられます。残念ながら、デレク・メディングス、宮武一貴シド・ミード各氏の、工業デザイン的なメカ部分をカバーリングしたデザインに慣れ親しんできた小生にとって、スターウォーズのメカ剥き出しの意匠には、当時かなり拒絶反応を示したように思いましたが、近年のエピソード1〜3は、かなりカバーリングされたスマートなモノになったのではないでしょうか。
さて、ここからは小生の持って産まれた癖から来る持論を元に綴らせていただきます。物心ついたころよりクルマに興味を持つことはあったものの、クルマ全体のディティールではなく、ワイパー・スピードメーターの動き、特に悪路や踏み切りを渡るときのサスペンションの動きに、異常に固守する変な子供でした。それは鉄道でも一緒で車両ではなくポイント、特に貨車庫の複雑なポイントと、クルマと列車が交差する踏み切りなどはこの上もない環境でした。その他には自転車の五段変速機や、大型トレーラーのジョイント部分や10輪あるタイヤ、ブルトーザーの無限軌道の動き等々挙げればキリがありません。
話は戻りますが、でもなぜサンダーバード・ヤマト・ブレランに心惹かれたのか自分自身長年のナゾでしたが、今から10年ほど前に読んだある書籍からハタと気付いたのです。曰く「嘘の中のリアリズム」です。ヤマトを例に挙げてみれば、「船が空を飛ぶ」と言うこと自体が既に嘘なわけですが、松本零士氏が参画したことにより、そこに第二次大戦の軍用艦船の要素が加味されたことがリアリズムに繋がったと綴られていました。もう少し掘り下げれば、主砲を一斉射撃した後撃鉄が後ろに後退し、撃った反対側に艦体が傾くといったシークエンスに、幼少より色々な乗り物の動きに慣れ親しんできた小生としては、そこにリアリズムという(記号)を感じ取ったのだと言えます。まぁ、突っ込みを入れれば、宇宙空間で実際そんな動きはするのか?という疑問はありますが、多々ある嘘の中に我々が感じている日常生活の中の本当(記号)を入れることにより、その物事はリアルに感じる。という人間の習性があげられるのではないでしょうか。
それを前提に見れば、スピナーが空を飛ぶということ自体かなり「嘘」になるわけですが、エクステリア・インテリアデザイン共々近年稀に見る丁寧な作りこみがなされたことにより、そこにリアリズムが産まれてきたのだと思えます。それはクライアントの意向を汲み取る、というシド・ミード氏特有の工業デザインの手法とデザインワークの妙味、またパトライト等ワヤゴチャ環境(実生活の記号)を細かく飽くなき探究心で加味した、スコット監督のセンスに負うところも大きかったと思います。多分そこに小生はリアリズムを感じ心奪われたのでしょう。
最後に、これはあくまでも小生の主観的な持論と思いであって、スピナーに対する思いはヒトの数だけあっても良いと思います。